競馬の世界に「タイム」「時計」は付き物。
その時計が速ければ能力もある、と思いがち。
さらに予想の要素にも「持ち時計」という物があります。
これら「タイム」は馬券検討の際に役立つのか?どう役立てればいいのか?
というのをここでは検証してみたいと思います。
競馬のレースで使われるタイムは何種類かあります。
・レース全体の「走破時計」
・レース後半のタイムを表した「上がり時計」
・レース中のペースが判断できる「通過時計」
など。
これらを馬券に役立てるには、何を見ればいいでしょうか。
まず「走破時計」について。
レースがスタートして、1着の馬がゴール板を駆け抜けた時のタイムを指すものですね。
このタイムが基準より速いとします。
そこから何が読み取れるでしょうか。
・馬場が良い。
・馬場が軽い。
・ペースが速かった。
・馬の能力が抜けていた。
などが主に思いつくと思います。
上の二つの馬場関係。
これはその日を通して重要な要素になって来るので、早めに確かめたいです。
そのレースだけタイムが速ければ、馬場が理由ではないと考えられますが、
その日を通してタイムが速い場合は、馬場コンディションが絶好、芝が短めで軽い。
そう考えることができます。
ですので、その日はそういう馬場が得意な馬や速いタイムに対応できる馬を狙いたいです。
ペースが速いと当然走破時計も速くなります。
逃げ馬がブッ飛ばして逃げ、後続もそれに続いて行くのでレース全体が速い流れになります。
こういう展開になると、当然逃げ馬はバテるのが常で、後ろから差す馬が有利な展開になります。
全体の時計は速くなりますが、実は全馬が前半飛ばしている分、上がりの時計は遅くなるのです。
つまり、前に行った馬がバテている分、末脚が切れる馬でなくても差し届くというわけです。
数字で表してみます。
芝2000mのレースで前半1000mが57.0秒というハイペースでレースが流れました。
残り1000mを60秒で走ったとします。
最終の走破時計は 1.57.0 という驚異のタイムになります。
しかし、後半は1000mを60秒の計算ですので、
200mを12秒という、上がり時計にしては遅いタイムで走ったことになります。
1.59.0 が走破時計だったとすると、残り1000mは62秒の計算となり、
さらに上がりタイムが掛かったことになります。
つまり、ハイペースの時は「後方の馬が有利」と展開のページにも書いていますが、
末脚が切れる馬でなくても差せる。ということもここで付け加えておきましょう。
さらに、ハイペースで勝った馬というのはその速いタイムが持ち時計になり、
以降、一見して能力が高いと思いがちになってしまいますが、それは過信です。
持ち時計というのは能力を示すものではないというのを覚えておいてください。
競馬場の着順掲示板には走破時計と、上がり時計が表示されるようになっています。
4Fというのは最後の800mのタイムで、3Fは最後の600mのタイムです。
これらを「上がり時計」と呼び、予想の際に重要視される方も多いようです。
上がりが速い=末脚が切れるという考え方は正しいですが、速いにも理由があります。
理由というのは、なぜその速い上がりを出せたか、ということなのですが、
考えられる大きな理由の一つに「スローで流れたから」があります。
上記のハイペースの例を逆に考えてみてください。
前半がゆっくり流れる分、余力の残った後半に力を出せるというわけなのです。
当然、上がり時計は速くなります。
そういう時はだいたいどの馬も上がりは速めになっているはずです。
ですので、そのレースだけで判断しないで他のレース内容も見ることが重要になってきます。
スローで流れるレースでは、安定して末脚を発揮できるのか。
末脚が切れるということは、スローでも折り合いに不安がない証拠。
上がりにバラつきがあるなら、その馬は気性で走るタイプ。ムラ駆けするタイプとも言います。
上がり時計の中には、そのレースの様々な情報が隠れているのです。
まとめます。
・時計で馬場状態を知ることも必要。
・ハイペースの時は末脚が切れない馬でも差せる。
・持ち時計というのは能力を示すものではない。
・上がり時計はなるべく多くのレースを見比べること。